CRMデータのクレンジングとエンリッチメントは、目的が異なる作業です。クレンジングでは重複、不統一なフィールド、無効な値を修正し、エンリッチメントでは不足している連絡先情報や企業情報を補完します。自社に最適なツールは、CRM内のレコードをマージしたいのか、再インポート用のクリーンなCSVを作成したいのか、既存レコードへ外部データを追加したいのかによって変わります。

ここでは、Datablist、Clay、WinPure、Dedupely、ZoomInfoを比較します。いずれもCRMクリーンアップの一部に役立ちますが、マッチングルール、CRMへの書き戻し方法、データソースには違いがあります。本格的な移行や契約を決める前に、まずは自社レコードのサンプルでテストしてください。

5つのCRMデータクレンジングツールを比較

ツール適した用途重複排除の方法購入前の確認事項
DatablistCRMへインポートする前のリストのクレンジングとエンリッチメント重複データの検出と設定可能なマージルールクレンジング済みレコードをCRM IDへどう対応付けるか
Clay複数のデータプロバイダーを組み合わせたエンリッチメントワークフローの構築指定したテーブル列での完全一致による重複排除氏名や企業名の表記揺れに完全一致で対応できるか
WinPure大規模データセットのプロファイリング、標準化、マッチング設定可能なマッチングとEntity Resolutionデータ量に適した導入形態とライセンス
Dedupely接続済みCRM内での重複レコードのマージ完全一致とあいまい一致に対応したCRMマージルール優先したいフィールド値をマージルールで保持できるか
ZoomInfoCRMレコードへのB2B連絡先・企業データの追加データ管理と重複クリーンアップ機能契約プランに含まれるクリーンアップ機能

Datablistは、CRMリストをエクスポートし、コレクション内でクレンジングして、必要な行をエンリッチしたうえでCRMへ戻すワークフローに適しています。Duplicates Finderは、行全体の完全一致だけでなく、重複の可能性があるレコードを確認し、値のマージ方法を選択できます。不足フィールドを補うためのdata enrichmentsも利用できます。新規レコードを作成せず既存レコードを更新できるよう、エクスポート時にはCRM record IDを残してください。必要なマッチング機能とエンリッチメント機能が含まれるか、現在のプランをご確認ください。

Datablistで重複候補を確認

Clayは、複数のエンリッチメントプロバイダーと条件分岐を組み合わせてクリーンアップする場合に強みがあります。Clayでは現在、列を基準とした行の重複排除と、選択した列での自動重複排除に対応しています。マッチングは完全一致のため、利用前に大文字・小文字、空白、ドメインを正規化してください。現在の料金体系では、ActionsとData Creditsが分かれています。サンプルワークフローを使い、両方の消費量を見積もりましょう。

Clayのエンリッチメントワークフロー例
Clayのエンリッチメントワークフロー例

WinPureは、データ品質、マッチング、Entity Resolutionに重点を置いています。氏名や住所の表記が統一されていない場合や、複数システムから集めたレコードを扱う場合は、テストする価値があります。現在のプランにはSmall Businessエディションと大規模環境向けの選択肢があります。すべての機能がエントリープランに含まれるとは限らないため、レコード件数の上限と導入形態をご確認ください。

WinPureのデータ品質管理画面
WinPureのデータ品質管理画面

Dedupelyは、HubSpot、Salesforce、Pipedrive内でのレコードマージが主な目的なら、わかりやすい選択肢です。現在の料金・機能ページでは、レコード数に応じた料金体系、フィールド単位のマージルール、完全一致とあいまい一致について説明されています。いくつかの重複グループをテストし、マージ後に残るレコードへ正しいCRM上の関連付けとフィールド値が保持されるか確認してください。

Dedupelyの重複マッチング画面
Dedupelyの重複マッチング画面

ZoomInfoは、CRMレコードと併せてB2B企業データや連絡先データが必要な場合に便利です。データ管理サービスには重複クリーンアップも含まれています。契約するパッケージで利用できるクリーンアップ機能を確認し、エンリッチメントのカバー率とCRMへの更新結果の両方をテストしてください。

ZoomInfoのCRMエンリッチメント画面
ZoomInfoのCRMエンリッチメント画面

CRMデータクレンジングツールのテスト方法

すべての候補ツールで、同じ小規模かつ実データを代表するエクスポートデータを使用してください。

  1. 連絡先と取引先を、CRM record ID、メールアドレス、企業名、ドメイン、エンリッチしたいフィールドとともにエクスポートします。
  2. 氏名が異なる同一メールアドレス、企業の別名、ドメインの欠損、本来は分けておくべきレコードなど、既知のエッジケースを含めます。
  3. 最初にマッチングを実行します。自動マージを許可する前に、誤検出と見逃された重複を確認してください。
  4. 値を標準化してから、必要な行とフィールドだけをエンリッチします。結果が取得できない場合や既存値と競合する場合に、各ツールがどう処理するか確認してください。
  5. サンプルをテスト用CRM環境へエクスポートまたは同期します。record ID、レコード間の関連付け、フィールドの所有権が保持されていることを確認します。

DatablistでCSVをクレンジングする場合は、CRMクリーンアップとエンリッチメントのガイドから始めてください。重複排除、検証、構造化、エンリッチメントの順に手順を解説しています。

ワークフローに合うCRMツールの選び方

管理された手順でCRMへ再インポートする前に、コレクションをクレンジングしてエンリッチしたい場合は、Datablistが適しています。複数プロバイダーを横断したエンリッチメントのオーケストレーションが中心で、テーブルの完全一致による重複排除で十分なら、Clayを選びましょう。大規模または不統一なデータセットのプロファイリングとEntity Resolutionを重視する場合は、WinPureが適しています。CRM内でのレコードマージを優先するなら、Dedupelyが候補です。B2Bデータのカバー率と契約パッケージのデータ管理機能が要件を満たす場合は、ZoomInfoもご検討ください。

1つのツールでCRMのクレンジングとエンリッチメントはできますか?

場合によります。まず、自社レコードにとって「クリーン」とは何かを定義してください。完全一致の重複排除、あいまい一致、フィールドの標準化、検証などが考えられます。そのうえで、同じツールが必要な外部データを提供し、CRMへ安全に書き戻せるか確認します。機能一覧だけで判断するより、実際のエッジケースを含む小規模なテストのほうが確実です。

CRMデータはどのくらいの頻度で見直すべきですか?

新しいデータソースをインポートしたとき、大規模なキャンペーンを実施する前、重複率やバウンス率が上昇したときに見直してください。連絡先や取引先情報が変化する速さに合わせて、定期チェックを設定しましょう。実行後の品質確認に使えるよう、マージ済みレコードのサンプルも毎回保存してください。